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HONEST GUIDE — GERMANY & JAPAN

ドイツで先に起きたことと、日本でいま起きていること

先に結論: 日本の固定価格買取制度(FIT)は、ドイツの再生可能エネルギー法(EEG)を参照して始まりました。 そのドイツでは、買取価格の縮小 → 自家消費への移行 → 家庭用蓄電池の急増 → 蓄電池価格の下落という順番で物事が進みました。 日本はいま、その2番目から3番目のあいだにいます。 つまり自宅の太陽光は「売って稼ぐ設備」から「買う電気を減らす設備」に、意味が変わりました。 当サイトは「必ず得します」とは書きません。ただ、何がどう変わったかは公表値で確認できます。

ドイツで先に起きた5つのこと

  1. 1. 固定価格買取(EEG)が縮小し、20年の買取期間が満了し始めた

    ドイツは2000年の再生可能エネルギー法(EEG)で固定価格買取を始めました。日本のFITはこの制度を参照して2012年に始まっています。ドイツでは買取価格の引き下げが続き、やがて20年の買取期間を終える設備(ポストEEG)が出てきました。

  2. 2. 「売る」より「自分で使う」ほうが得になった

    買取価格が下がり、電力の卸売価格が上がると、発電した電気を売るより自宅で使うほうが有利になります。ドイツ市場は自家消費を前提とした設計へ移り、いまは蓄電池を系統全体の調整力として使う段階(市場統合)に進んでいます。

  3. 3. 家庭用蓄電池が一気に普及した

    2024年に新たに稼働した定置用蓄電設備は約60万件。総設置台数は180万件を超え、容量は19GWhに達し、いずれも前年比で約50%増えました。2025年半ばには家庭用で約200万台・22.1GWh規模に達する見通しとされています。

  4. 4. 蓄電池の価格が2年で半分になった

    家庭用蓄電池システムの平均価格は、1kWhあたり2023年上半期の1,332ユーロから、2025年上半期には711ユーロへ下がりました。普及が進むと価格が下がり、価格が下がるとさらに普及する、という循環が起きています。

  5. 5. 新築の屋根置き太陽光が、州単位で義務になった

    ドイツでは州ごとに新築建築物への太陽光設置義務が導入されてきました。「置きたい人が置く」から「原則として置く」へ、制度の前提そのものが動いています。

ドイツの数値は公表されている統計・報道にもとづく記載です(2026年10月8日に当サイトで確認)。

日本でいま起きている4つのこと

日本で起きていること内容ドイツでいうと
FITの買取価格は下がり、住宅用は制度の形自体が変わった2025年度の住宅用(10kW未満)の買取価格は上半期で15円/kWh。2025年10月からは「初期投資支援スキーム」として、最初の4年を24円/kWh、6〜10年目を8.3円/kWhとする段階制が導入されました。長く高く売り続ける制度ではなくなっています。ドイツの①②と同じ位置
買う電気のほうは上がっている再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の単価は、2025年度(2025年5月分〜2026年4月分)で3.98円/kWhと過去最高になりました。売る価格が下がり、買う価格が上がると、自家消費の価値が相対的に上がります。ドイツの②と同じ位置
東京都が、新築への太陽光設置を義務づけた東京都は2025年4月から、新築建築物への太陽光発電設備の設置などを義務づける制度を開始しました。義務を負うのは購入者ではなく事業者側で、都内の年間供給延床面積が合計2万㎡以上のハウスメーカー等が、延床2,000㎡未満の新築建物について対象になります(既存住宅は対象外)。ドイツの⑤と同じ位置
国の計画も、再エネを最大の電源に置いた2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、2040年度の電源構成の見通しとして再生可能エネルギーを4〜5割程度、うち太陽光を23〜29%としています。方向としてはドイツの延長線上

「売る」から「使う」へ、意味が変わった

2025年度の住宅用FITは上半期で15円/kWh。一方、買う電気には再エネ賦課金3.98円/kWh(2025年度・過去最高)が上乗せされ、 さらに燃料費や託送費が乗ります。売る価格より、買わずに済ませる価格のほうが高い—— この逆転が起きると、発電した電気を自宅で使い切るための設備、つまり蓄電池の役割が変わります。

ドイツでは、この逆転のあとに蓄電池が一気に普及しました。 2024年だけで約60万件が新たに稼働し、総設置台数は180万件超・容量19GWh(いずれも前年比約50%増)。 2025年半ばには家庭用で約200万台・22.1GWh規模に達する見通しとされています。 そして価格は、1kWhあたり1,332ユーロ(2023年上半期)→711ユーロ(2025年上半期)と2年で半分以下になりました。

では、自宅に持っておく意味はあるのか

当サイトは「必ず元が取れます」とは書きません。発電量も自家消費率も電気料金も、条件しだいで変わるためです。 そのうえで、公表されている制度の形から言えることを正直に並べます。

こういう家は、理にかないやすいこういう家は、急がなくていい
昼間に在宅して電気を使う(在宅勤務・小さな子どもがいる・高齢の家族がいる)日中ほとんど家にいない。発電した電気をその場で使えない
オール電化やEVで、そもそも電気の使用量が多い電気の使用量が少なく、減らせる金額が小さい
屋根の向き・面積・築年数に無理がない北向き・面積が小さい・近く屋根の葺き替えが必要
住んでいる自治体に補助金がある(国の補助と併用できる場合がある)自治体の補助が無く、国の補助も締め切られている

自分の条件でいくらになるかは、投資回収シミュレーターで計算できます。お住まいの自治体の補助金は補助金データベースから確認してください。 設置後にかかるお金(パワーコンディショナの交換など)は維持費のページにまとめています。

ただし、前提が崩れる条件もあります

よくある質問

日本の制度は本当にドイツを参考にしているのですか?

日本の固定価格買取制度(FIT・2012年開始)は、2000年に始まったドイツの再生可能エネルギー法(EEG)の仕組みを参照したものとして一般に説明されています。ただし「日本がドイツと同じ道をたどる」と決まっているわけではありません。電源構成も電力市場の設計も違うため、このページでは『ドイツで先に起きたこと』と『日本でいま起きていること』を並べるだけにしています。

いま太陽光や蓄電池を入れると得をしますか?

当サイトは「得をします」と断定しません。発電量・自家消費率・電気料金・補助金・設置費用のすべてが条件しだいで変わるためです。ただし、売電で稼ぐ設備から、買う電気を減らす設備へ、制度の前提が変わっていることは公表値から確認できます。ご自身の条件での試算は投資回収シミュレーターをお使いください。

蓄電池はもう少し待ったほうが安くなりますか?

ドイツでは家庭用蓄電池の平均価格が1kWhあたり2023年上半期1,332ユーロから2025年上半期711ユーロへ、2年で半分以下になりました。普及が進めば価格が下がるのは自然な動きです。一方で、補助金は予算が尽きると締め切られ、電気料金と再エネ賦課金は上がっています。「待てば安くなる」と「待つあいだ高い電気を買い続ける」の両方が同時に起きるため、ご自宅の電気使用量と補助金の締切で判断するのが現実的です。

どういう家なら設置する意味が大きいですか?

公表されている制度の形から言えるのは、(1)昼間に在宅して電気を使う、(2)オール電化やEVで電気の使用量が多い、(3)屋根の向き・面積に無理がない、(4)住んでいる自治体に補助金がある——この4つが重なるほど自家消費の比率を上げやすい、ということです。逆に、日中ほとんど家にいない・使用量が少ない・屋根条件が悪い場合は、急いで判断する必要はありません。

出典・確認日:日本側は経済産業省・資源エネルギー庁の公表資料(第7次エネルギー基本計画=2025年2月閣議決定、2025年度の調達価格、2025年度の再エネ賦課金単価)および東京都の公表(2025年4月制度開始)。 ドイツ側は公表されている統計・報道。いずれも2026年10月8日に当サイトで確認しました。 制度・金額は変更されることがあるため、申込み前に必ず公式の最新情報をご確認ください。