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太陽光パネルの撤去費用はいくら?経産省の公的データだけで解説

先に結論(公的データ): 経産省の実費調査(廃棄等費用WGアンケート)では、標準的な太陽光発電設備の廃棄等費用の中央値はコンクリート基礎 約1.4万円/kW・スクリュー基礎 約1.0万円/kW、うちパネル+架台のみ(基礎除く)は中央値0.57万円/kWです。 制度面では、FITの調達価格に廃棄費用が「資本費の5%」として最初から織り込まれており(2012年度1.7万円/kW〜2019年度1.0万円/kW相当)、 事業用(10kW以上)は認定年度別の基準額(0.52〜1.62円/kWh)で外部積立が義務です。 一方、住宅用(10kW未満)はこの積立制度の対象外——撤去費は自分で準備する、が制度上の事実です。

このページの方針: 業者の相場は載せず、公的データだけ

「撤去費用の相場」を検索すると、15万円前後・10〜15万円・◯円/枚など出典のない金額がバラバラに出てきます。 多くは各業者の自社実績ベースで、検証のしようがありません。 そこでこのページでは民間業者の相場を採用せず、経済産業省・資源エネルギー庁の公式資料に載っている数値だけで撤去費用を整理します(確認日: 2026年8月4日)。

公的な実費調査: 中央値は約1.0〜1.4万円/kW

経産省「太陽光発電設備の廃棄等費用の確保に関するWG」の資料に、実際の廃棄等費用のアンケート調査結果が掲載されています。

項目公的調査の値(中央値)
標準的な設備の廃棄等費用(コンクリート基礎)約1.4万円/kW
標準的な設備の廃棄等費用(スクリュー基礎)約1.0万円/kW
うちPVパネル+架台(基礎除く)0.57万円/kW
内訳試算: 仮設工事0〜1.74万円/kW
内訳試算: パネル・架台撤去0.23〜1.05万円/kW(中央値0.30万円/kW)

正直な注意点が2つあります。第一に、これは公式注記のとおり太陽光パネルの処理実績が乏しい中での調査です。 第二に、地上設置の事業用を対象とした調査であり、住宅の屋根に載ったパネルの撤去費用(足場代等が別途かかる)についての公的な調査データは今回の実査では確認できませんでした。 住宅の撤去費を「公的相場◯万円」と断言する記事があれば、その出典を疑ってください。当ページは確認できないものは確認できないと書きます。

制度の前提: 廃棄費用は「資本費の5%」として売電単価に織り込み済み

資源エネルギー庁のWG資料には、FIT制度の調達価格(売電単価)の算定時に、廃棄等費用が「資本費の5%」として最初から想定されていることが明記されています。 金額にすると最も高い2012年度で1.7万円/kW相当、最も低い2019年度で1.0万円/kW相当です。 つまり制度設計上、売電収入には撤去費の原資が含まれている——「撤去費用は想定外の出費」ではなく、最初から計画に入れるべき費目だということです。

積立はいくら?——経産省告示の「解体等積立基準額」全テーブル(2012〜2027年度)

事業用(10kW以上)のFIT/FIP認定案件は、廃棄等費用積立制度により、売電1kWhごとに下表の基準額が源泉徴収的に外部積立されます(管理: 電力広域的運営推進機関=OCCTO)。 基準額は認定年度・入札回次ごとに経産省告示で定められています(原典: 平成29年経済産業省告示第35号。2026年8月4日にガイドラインPDFで実査)。

認定年度区分廃棄等費用の想定額解体等積立基準額
2012年度1.70万円/kW1.62円/kWh
2013年度1.48万円/kW1.40円/kWh
2014年度1.46万円/kW1.28円/kWh
2015年度1.54万円/kW1.25円/kWh
2016年度1.34万円/kW1.09円/kWh
2017年度入札対象外1.31万円/kW0.99円/kWh
2017年度第1回入札1.07万円/kW0.81円/kWh
2018年度入札対象外1.19万円/kW0.80円/kWh
2018年度第2回入札—(落札者なし)
2018年度第3回入札0.94万円/kW0.63円/kWh
2019年度入札対象外1.00万円/kW0.66円/kWh
2019年度第4回入札0.82万円/kW0.54円/kWh
2019年度第5回入札0.78万円/kW0.52円/kWh
2020年度10-50kW以外1.00万円/kW0.66円/kWh
2020年度10-50kW(自家消費比率50%)1.00万円/kW1.33円/kWh
2021年度10-50kW以外 / 10-50kW1.00万円/kW0.66 / 1.33円/kWh
2022年度10-50kW以外 / 10-50kW1.00万円/kW0.66 / 1.33円/kWh
2023年度10-50kW以外 / 10-50kW1.00万円/kW0.64 / 1.33円/kWh
2024年度地上10-50kW以外 / 地上10-50kW / 屋根10kW以上1.00万円/kW0.62 / 0.60 / 1.12円/kWh
2025年度地上10-50kW以外 / 地上10-50kW / 屋根10kW以上1.00万円/kW0.62 / 0.60 / 1.12円/kWh
2026年度地上10-50kW以外 / 地上10-50kW / 屋根10kW以上1.00万円/kW0.62 / 0.60 / 1.12円/kWh
2027年度屋根・10kW以上1.00万円/kW1.12円/kWh

制度の骨子(公式ガイドラインで確認):

項目公式の規定
対象事業用太陽光発電(10kW以上)のFIT/FIP認定案件。住宅用(10kW未満)は対象外
方式原則、売電収入からの源泉徴収的な外部積立て(OCCTOが管理)
積立期間調達(交付)期間終了日の10年前の日以降最初の検針日〜調達期間終了日。頻度は毎月
実運用の開始2022年7月1日以降最初の検針日から

住宅用(10kW未満)はどうすればいいか

ここまでの公的データを住宅に引き直すと、次の3点になります。

(1)積立制度は使えない。住宅用は制度の対象外なので、撤去費は自分で準備する必要があります。(2)公的な単価の手がかりは「事業用で中央値1.0〜1.4万円/kW」と「制度想定1.0〜1.7万円/kW」。住宅の屋根では足場等の条件が異なるため、この単価がそのまま当てはまる保証はありませんが、見積もりの桁感を検証する公的な基準にはなります。(3)処理責任は排出者にある(廃棄物処理法・WG資料明記)ため、撤去を頼む場合は適正処理まで含めて業者を選ぶことになります。 出典のない「相場◯万円」を信じるのではなく、複数業者の見積もりを公的単価と突き合わせて比較するのが、住宅でできる唯一の検証方法です。

なお「撤去するか・使い続けるか」の判断自体は撤去費だけでは決まりません。 設置・継続の損得は太陽光発電はやめたほうがいい?(後悔する家・しない家の条件)で、 回収年数はシミュレーターで確認できます。

設置・買い替えを検討する場合は、複数業者の相見積もりで価格・提案を比較するのが定石です(見積もりは無料)

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よくある質問

太陽光パネルの撤去費用の相場はいくらですか?
公的調査(経産省・廃棄等費用WGのアンケート調査)では、標準的な太陽光発電設備の廃棄等費用の中央値はコンクリート基礎で約1.4万円/kW、スクリュー基礎で約1.0万円/kW、うちパネル+架台(基礎除く)は中央値0.57万円/kWです。ただしこれは地上設置の事業用を対象とした調査で、住宅の屋根に設置したパネルの撤去費用について公的な調査データは確認できませんでした(2026年8月4日実査)。住宅の場合は複数業者の見積もりで確認する必要があります。
撤去費用は積み立てられているのではないですか?
積立が義務なのは事業用(10kW以上)のFIT/FIP認定案件だけです。廃棄等費用積立制度では、売電収入から源泉徴収的に外部積立(電力広域的運営推進機関=OCCTOが管理)される仕組みで、積立期間は調達期間終了日の10年前から毎月です。一方、住宅用(10kW未満)はこの積立制度の対象外のため、撤去費用は自分で準備する必要があります。これは制度上の事実です。
積立の基準額はいくらですか?
経産省告示で認定年度・入札回次ごとに「解体等積立基準額」が定められています。最も高い2012年度認定で1.62円/kWh(廃棄等費用の想定額1.70万円/kW)、最も低い2019年度第5回入札で0.52円/kWh、2020年度以降はおおむね0.60〜1.33円/kWhです(売電1kWhごとに源泉徴収的に積み立て)。本文に2012〜2027年度の全テーブルを掲載しています。
撤去したパネルは誰が処分の責任を負いますか?
廃棄物処理法に基づき、廃棄物の処理責任は排出者(発電事業者・解体事業者等)にあると経産省WG資料に明記されています。家庭の場合も、撤去を依頼した業者任せにせず、適正処理される段取り(マニフェスト等)を見積もり時に確認するのが安全です。

出典(すべて公的一次資料・確認日: 2026年8月4日)

本ページ確認日: 2026-08-04。住宅屋根設置の撤去費用の公的調査データは確認できなかったため掲載していません(確認できないものは載せない方針です)。個別の金額を保証するものではありません。

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